1.ブロックチェーンとは何か?

1. 概要

世界中の多くの事業家や著名人ら超富裕層クラスの人々が、現在最も注目している分野の一つが「ブロックチェーン」技術です。

 
2009年に、ビットコインの開発時に誕生した分散型コンピューターネットワークのことで、中間業者を介さず多くのコンピューター群だけで連続的に取引(トランザクション)の記録を行うIT技術を指します。

 
管理者がいない状態で各種取引を承認する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」システムと、情報を分散保管してデータの不具合や情報紛失を防ぐ分散型台帳データベース「ピア・ツー・ピア(P2P)」を備えており、一度書き込まれたデータは改ざんが不可能です。
 
そして、金融・証券業界での支払い・手続きコストの削減、個人情報流出の防止、偽造・改ざんが生じない本人認証や鑑定書の類、バックオフィスの監視業務コスト削減などに活用が見込まれています。

 
また、ブロックチェーンを内蔵する仮想通貨(暗号通貨)にも注目が集まっていますが、これは管理者である国や政府が必要ないことで、独断でお金の流通量を増や行為や不正献金・改ざん・隠蔽などを防げる点が優れているからです。

 
しかし現在、金融機関を中心に中央政府やIT企業が研究開発を進めていますが、ブロックチェーンそのものは産業での実用化のめどが立っておらず、人工知能(AI)やバーチャルリアリティ(VR)、ドローンのようなテクノロジーに大きく遅れをとっているのが現状です。
 

世界各国のブロックチェーン開発例

●スウェーデン: 新ブロックチェーンの土地登記分野での応用に向けてテストが進行中。
●エストニア: 2015年12月より医療など住民サービスをブロックチェーンで運用・管理するシステムを導入。
●ラトビア: ショッピングポイントと自動車保険を融合した仮想通貨「ピンズ」(PINS)のスマートハイウェイプログラムを実施。
●ロシア: 2016年11月「ビットコイン」(Bit Coin)を通貨として正式に認定。
●ドイツ: エネルギー会社が公共料金に「ビットコイン」(Bit Coin)を採用。
●カンボジア: 中央銀行がソラミツ(株)の開発ブロックチェーン「Hyperledgerいろは」を採用。(2017年4月)
●シンガポール: ブロックチェーンを利用した小切手の電子化の実証実験がスタート。
●オーストラリア: 国際標準のブロックチェーン技術を開発。
●ジョージア共和国: ブロックチェーンを活用した台帳管理システムを土地登記等様々な分野に拡大。(2017年2月)
●ハワイ: ブロックチェーン研究組織結成法案が下院通過。(2017年2月)

 

2. 信頼性

ブロックチェーンは、「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」により不正や個人情報盗用、二重支払いなどの誤操作を事前に防ぐ承認式取引が行えます。

 
また、システムがシャットダウンしてもデータの分散保管により処理を継続し、情報紛失が生じない「ピア・ツー・ピア(P2P)」を採用することで、信頼ある個人間取引システムを創り出しています。
 

3. 利点と欠点

メリット

仮想通貨を瞬時に世界中へ送ることが可能。
仮想通貨のすべての取引履歴が記録される。
取引情報の書き換えが不可能(あらかじめルールを書き込んでおく)なので、偽造・改ざん耐性がある。
すべての取引履歴が公開され、管理者が存在しないため、透明性が高い。
一度起動させたら落ちることはない(一部のノードがダウンしても処理を継続できる)。
集中処理するための高性能システムが必要ないため、コスト削減への期待が高い。
 

デメリット

ビットコインのブロックチェーンでは1ブロック当たり1メガバイトの容量しかなく、ブロックに取り込めるトランザクションが1秒に約7件しかない。
ビットコインのブロックチェーンでは1ブロックのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)に10分かかるため、即時性の高い処理には使いづらい。
P2Pネットワークに参加する全ノードが同じデータを処理するため、IT資源の利用効率が低い。
 

4. 世界の主なブロックチェーン開発プロジェクト

ビットコインコア

ビットコイン(Bitcoin)のブロックチェーン開発プロジェクト。
 
( ≫ ビットコインの詳細はコチラ )
 

イーサリアム・ファウンデーション

イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン開発プロジェクト。
 
米マイクロソフト米コンセンシスが、クラウド開発環境を支援。
 

Hyperledgerプロジェクト(リナックス・ファウンデーション)

ビットコインが採用するブロックチェーンの欠点である「容量不足」「速度不足」などを改善した、新型ブロックチェーン技術「ブロックチェーン2.0」を導入するブロックチェーン開発プロジェクト。
 
米IBM、米アクセンチュア、米インテル、日本では日立製作所、富士通など大手大企業がプレミア会員として名を連ね、Juno(米JPモルガン開発)、Sawtooth Lake(米インテル開発)、Fabric(米IBM/米DAH共同開発)などの暗号通貨を開発。
 

R3コンソーシアム

2013創業のスタートアップ企業「R3 CEV」が主催するブロックチェーン開発プロジェクトで、次世代ブロックチェーン「Corda」を開発。
 
金融機関での有効な活用領域などを議論、技術検証を進めており、世界の大手金融機関60社以上が参画。

 

(参考文献:この一冊でまるごとわかるブロックチェーン&ビットコイン/日経BPムック,2016)

 

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